博物館について思うこと

私が子供の頃は、日本社会が経済成長を遂げている最中だったみたいで、たくさんの美術品やら収集品やらが日本に集まって、日本国内では実に色々な展覧会が開催されていた。

でも人々は経済活動に勤しんでいたので、私のような若輩者はその恩恵の一部として、

「全然混んでない劇場やミュージアム」というものが与えられた。

唯一「うわこれすげえ混んでるな」って思ったのがジャポニスム展、上野の国立西洋美術館で開催された印象派の中でもジャポニスムに焦点を当てた展覧会であった。

あれはめちゃくちゃ混んでて、絵がかなり上の方に展示されていたことをよく覚えている。

いきなり入ると人の頭で、上の方にマネの「笛吹く少年」がバーンて飾ってあった。私はそれを見て「想定よりだいぶデカい」と思ったものだよ。

高校に間に合わなくて(朝バスに乗り遅れるとかバスが遅いとかで)通っていた美術館では「オノレ・ドーミエ展」が開催されていてそこには博覧会や美術展で展示物を見る人々が描かれた絵があった。

https://hanga-museum.jp/exhibition/index/2025-596 町田市立美術館館長かわら版より
オノレ・ドーミエ『万国博覧会』より、1855年、リトグラフ

こんな感じのやつ。ほかにも、ものすごい人ごみで、いかにも分かったような顔をした人々が絵や展示物に群がっている様子もあって、「うわあ」って思ったものです。

風刺ではあるけど、そんなに元々素地とか興味とかが無かった人が「話題」のものを一目見ようと色々な場所から集まってすし詰めになっている世界を見て、高校生だった私はどこの世界でも同じだなあと思ったものです。

そこでなけなしの金をはたいて図録も買った。あれは良い展示だった。

まぁそれで、昨今のジャパンの衰退っぷりと、ネットの発達のせいなのか、人々の「話題」への乗り込みっぷりが、博物館や美術館にも押し寄せており、美術館も博物館も長蛇の列じゃないか。

昨日いや一昨日、国立科学博物館に行ったら、西洋美術館で印象派っぽい展覧会がやってたから「帰りにちょっとこっちも見ていこうかな~」なんて思ったらあんた。

西洋美術館から科学博物館まで行列。(2列)

ギエエエ!!!どういうこっちゃ!!と思ってたら科学博物館側から西洋美術館入口に向かって行列。

(憤死)

血圧上がっちゃうからやめて!!ほんとやめて!!博物館や美術館は経済活動にいそしむことが出来ない人のための存在なのっっっ!!あんたらはおとなしく資本主義の波を泳いでて!!!!印象派グッズはネットで販売して!!!!!

政治が悪いと美術館や博物館まで混雑。しかも国立なのにクラウドファンディングまでやってる。地獄かよ。

19世紀のドーミエが描いた万国博覧会の様相を呈し始めた後進国・ジャパンをヒシヒシと感じた休日でした。

結局科学博物館は常設だけ見て帰ってきたよ。無理じゃんあんな並ぶの。