同志少女よ敵を撃てを読んだ

アガサクリスティー賞とはどんなものなのか

子供が読書感想文のための本が欲しいというので、近所のつたや(一部の漫画と雑誌と自己啓発本とラノベしかない)に行きましたところ、子供が超つまらなさそうな本を「これでいっかな」と選んでいたので「こっちにしようよこっちが読みたい」と強く言ってこっちを買いました(ひどい)。

子供が読み終わるまで待って昨日やっと読み始めたんですが

上半分しか書いてない

なんでこんな改行が多いのか?

作者は平易な文章で読みやすくすることにより、より広い層に届けたかったと言っておりました。なるほど。

なんでこの本をそんなに読みたいと思ったのかというと、この作者が割と特殊な環境で育っていて、お姉さんがロシア文学研究者なんですよね。だからこう資料とか適当に付けるネーミングとかそういうのに違和感を覚えないだろうと思ったのと、専門家が背後に控えている小説ってどんなもんなのかなって思って読んだんですよ。

祖父をめぐる卵の、じゃなかった「卵をめぐる祖父の戦争」だったか冒険だったかタイトル忘れちゃったてへ。。え、作者の名前も忘れた。。。ゲームオブスローンズの脚本書いてる人。。。ゴールズワージーになっちゃう!名前なんだっけな、デイヴィッドベニオフ!

「卵をめぐる祖父の戦争」が本当にめちゃくちゃ面白かったのですが、「コサック兵」の登場人物の描写がどう考えてもコサックの見た目を呈しておらず、金髪碧眼の優男みたいな書かれ方でどうしてもそこが受け入れられなくて、そしてかつどうしてもそのせいで本が一冊丸々好きになれないでいたので、背後に控える専門家の修正を受けながら完成したこの「同志少女よ敵を撃て」は気になったのです。

感想文(以下ネタバレを含む)↓↓↓

一言でいうと、「拾い集め」感がすごい。

膨大な資料を一人の人生を語るのにあちこちから集めてまとめましたっていう感じがありました。お、おうって感じ。

次の感想

「戦争、カッコいい!!私も戦争に出るなら狙撃兵がいい!!」

「ロシアン・スナイパー」という映画があります。そこには実在の女性兵士が主役で出てきます。ロシアン・スナイパーは最初から最後まで緊張感マックスで、まったく気が抜けない、ものすごい強い映画でした。

怖すぎて泣くかと思った。そんで、ロシアン・スナイパーを見た後私は、

「戦争ダメ、絶対ダメ」

と強く思ったわけです。戦争に対する強い拒否反応が起き、漏らすところでした。しかしこの本は「戦争でこんなに活躍してかっこいいなー」って思ってしまったのです。

一番売りたいの?

全国書店員は何でこの本を「いちばん売りたい」と考えたのか?分からないょ。。。

作者は何を言いたかったのかという話になると以前インタビューで戦争が一番嫌いと言っていて、戦争文学で反戦を訴えるということをしているそうなんですが、どちらかというと私はこの作者の言う「軽薄な誤読」をしてるタイプかもしれません。

「ロシアン・スナイパー」の主人公は実在のロシア人スナイパーのリュドミラ・パブリチェンコっていうんだけど、その人も普通に登場人物として出てきます。えっwって感じだったけど映画に出てくるエレノアルーズベルトのセリフをそのまま彼女の性格のように使ったり、なんていうか「えwここはカットでよかったのではないか」みたいなところが出てきます。

私は好きだと思うものが悉く日本から消えていくので多くの日本人と同じ感想文を持てない可哀そうな感覚の持ち主なので要するにそういうことだと思いました。

うちの子に感想聞いてみたら、「主人公がバカでイライラした」とのことでした。そして「最後の方で〇〇を撃ったのはスッキリした」と言っていたので、うちの子も割と戦争反対な感想文は出て来なかったという点で作者や推薦者の意図からは離れてしまいました。

推薦者は沼野恭子先生でした。